パニック障害について

「心臓がドキドキして、もう駄目だ、死ぬかもしれない!狂ってしまうかもしれない!」と思ったことがありませんか?「またなったらどうしょう」と考えてどうしょうもなくなることはありませんか?・・

目次

パニック障害とは

ある日突然、それまでとは明らかに区別できるような症状が急に出現する事があります。いわゆる、パニック発作と呼ばれる発作です。突然、動悸、発汗、めまいやふらつき、震え、息切れ感、吐き気、気が狂うのではないか?という恐怖感などの症状が出現し、強い不快感と恐怖感を感じてしまうものです。発作は数分でピークを迎え、救急受診される方もおります。

パニック発作=精神疾患ではなく、一般人口の約10人に1人は一生の間に少なくとも1回はパニック発作を経験すると言われています。また、パニック様の発作を来しうる複数の身体疾患(喘息や不整脈、甲状腺機能亢進症など)もあり、まずは内科などで体のチェックを受ける場合が多く、実際診断を進めるにあたっても必要となります。

1か月近くパニック発作が繰り返し起こり、身体的な異常がない、発作が起きてない時にも次にいつ発作が起こるか不安で仕方なく(予期不安)、例えば電車や人ごみの中など特定の場所を避けるように行動が変化していく(回避行動、広場恐怖)。そういった状態で日常生活に支障が出てきた時はパニック障害を発病されている可能性があり、早めに近くの精神科で相談された方が良いと思われます。

パニック障害の特徴

パニック障害の特徴として、有病率が約3%で女性は男性の2倍と言われています。たいていは30歳以前に発症し、それより遅く症状が出てきた方は身体疾患の有無を調べる事が大切です。またうつ病や社会不安障害、強迫性障害、物質乱用などの他の精神科の疾患を合併している事もあります。他の不安障害の方と同様で、パニック障害の方も自己治療を試みて、例えばアルコールを不安の改善に使用してしまう方もいます。アルコールの短時間の抗不安作用を目的として使用してみたものの、いわゆる慣れ(耐性)が出現してしまい、初回効果を取り戻そうと徐々に飲酒量が増えてしまっている方も中にはいます。

パニック障害の原因と悪循環について

原因はまだはっきりと分かっていませんが、脳内のセロトニン関係の神経システムの不調ではないかと考えられてきています。決して、心が弱いからとかではないのです。

パニック障害の症状の中で、発作の症状よりも発作のない時に続く予期不安が生活機能や能力を損なう原因とされています。その不安が強まると、回避傾向が強まり行動範囲が狭くなります。回避傾向が続くと、危険ではない事を過剰に危険だと考える偏った認知がさらに強化され、より生活障害が悪化し悪循環に嵌ってしまう事もあります。

パニック障害の治療について

治療としては薬物療法と認知行動療法があります。薬としては即効性のある抗不安薬と即効性はないけど持続性のあるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの薬を組み合わせて治療していきます。ある程度症状が緩和されてきた段階で、認知行動療法を行います。
予期不安の中核とも言える過剰な危険認知の修正を図ります。また回避行動を減らし、特定の状況への暴露行動とその反応を観察し少しずつ反応を弱めていく行動療法的なアプローチをしたりもします。

不安障害の方は不安が強いため、適切な治療(新しい変化への取り組みにあたるため)に対しても不安が壁となり、治療開始が遅れてしまう方も多いです。またネットや周囲の情報の中で不安を増強する情報だけをクローズアップして取り込んでしまうため、スタンダードな治療よりも自己治療を優先させてしまう方もいます。経過は人により多様で、中には再発を繰り返し外出もままらなくなる方もおります。症状が長引き生活の質(QOL)が低下してしまう前に、症状で困っている方は”物は試し”と、少し勇気を出してお近くの精神科でご相談下さい。

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