双極性障害のうつ (躁うつ病のうつ状態)

目次

双極性障害のうつの特徴

双極性障害の方は2つの病相が出現します。主には「うつの状態の時期」と「躁~軽躁の状態の時期」という病期の時期です。何も症状がなく病状がおさまっている時期(間歇期)もいれると、3つの時期で構成される事になります。


双極性障害のうつ状態をどうしてうつ病の欄に追記したかというと、双極性障害の方は病相の大半をうつ状態で過ごすと言われています。また躁状態よりもうつ状態の方が「つらい」と自覚され、うつ状態の時に受診されやすいのです。加えて双極性うつ病はなかなか治療が難しく、反復したり慢性化しやすい事もあり、実は長く心療内科や精神科にうつで治療している方の中に、双極性障害のうつ状態の方も隠れていると考えられております。海外ではうつ病治療で通院中の20~30%は双極性障害であるという報告もあります。診断が難しく、確定診断がつくまでに平均しても数年かかったという調査にもあるように、当初はうつ病として治療していたら、数年たって初めて双極性障害の診断がつく事は珍しくありません。


これらのことから、双極性障害の方は、病期の期間の大半をうつの治療で通っているという実態が明らかになってきています。これまでうつの中に隠れている双極性障害を見過ごす過少診断の問題や、診断基準以下の躁的な症状をとらえて双極性障害とみなす過剰診断の問題が指摘されてきました。

双極性障害のうつの診断と経過について

原因は未だ明らかでなく、客観的な指標である生物学的なマーカーもないため、医師が詳しい問診を行い診断します。単なるうつ病の症状との違いもあり、症状には双極性うつ病の特徴が幾つか含まれていたりします。また不安障害や薬物乱用、依存症など他の精神疾患を合併している割合が高いとされ、慢性化している方は症状と診断を改めて整理する事が大切です。加えて、最近では発達障害特性を持った方の2次障害としてのうつ状態との鑑別なども必要となってきます。


症状と経過を確認しつつ、過去の軽躁~躁状態のエピソードを確認したり、双極を疑う特性についての問診やそれを見つけるための診断補助となるツールを利用する事もあります。併存疾患の評価や除外診断を行い、出来る限り正確な診断と評価へのアプローチを行っていきます。

双極性障害のうつの治療について

双極性うつ状態の治療については、薬物療法、心理療法(認知行動療法、対人関係療法、社会リズム療法)、電気けいれん療法などを組み合わせて行います。双極性うつ状態に適応のある薬は限られており、また長期に渡り再発しやすい病のため、上手にお薬と付き合えるように主治医とじっくり話し合いながら治療を進めていく事が大切です。薬物治療だけでなく、気分の波である病気に振り回されないように、本人や家族と一緒に病気の事を受け入れて学習していく過程が、将来の再発予防には大事です。

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