強迫性障害について

「ガスの元栓、家の鍵の確認に時間がかかってしまったり、確認のために、また戻ってみてしまう」ことがありませんか?「確認したり、手を洗ったり、数えたり」が気になりますか?

目次

強迫性障害とは

強迫性障害とは、反復的で持続的な考えやイメージ、衝動などが頭の中から湧いてきて、それをやめるれず頭からはなれず著しい不安を感じてしまう強迫観念と、分かっていながら何度も同じことを繰り返ししてしまう強迫行為などがあり、日常生活に大きな支障をきたす病気です。強迫観念については、自分自身で意味がないとか不条理であると洞察されている方もいれば、自身の中で違和感がなく洞察されず妄想的な確信にいたっている方もいます。

強迫性障害の現在

有病率は2~3%と言われ、その2/3は25歳以前に病気が顕在化すると言われ小児期では男性、成人期では女性の方が多いと考えられています。じわじわと発症する場合もあれば、時に突然起こってくる場合もあります。

発病から長年症状に苦しみつつも、自身の強迫観念や強迫行為を恥ずかしいと思ってしまい、打ち明ける事をためらい隠しながらしんどい生活を余儀なくされている方が多く、見落とされる事がしばしばあります。また気づかれにくい面もあります。例えば、小児で文章を確認するため何回も読むために学習が遅く、学習障害と診断されたり、トイレに頻回に行くため膀胱に問題があると思われていた方が、実は不潔から強迫的に手洗いをしていたという場合もあります。

うつ病や不安障害など、他の精神疾患との合併も多く、経過中に統合失調症などが顕在化するケースもあり、他の病気との鑑別も大切となります。最近では発達障害のこだわりが背景にあり、強迫性障害として治療する過程で発達障害に気づく場合もあります。また近年では、チック、抜毛症、身体醜形障害、皮膚引っ掻き症なども強迫性障害に関連した疾患として考えられるようになってきています。

強迫性障害の病型

強迫性障害には代表的な4つの型があります。
①汚染:もっとも多く見られ、汚染にたいする強迫観念です。例えば、他人が触れたものに触れられない、汚染されてしまった観念にとらわれ、長時間にわたる手洗いや、汚れたと感じる対象物を回避した制限の強い生活を送る事があります。

②病的疑念:疑念が頭から離れず、一時的な安心を得るための強迫行為が出現する事が多いです。例えば、外出時に家の鍵を閉め忘れたのではないか?と考え、何度も鍵がかかっている事を確認したり、一旦外出しても自宅に戻り再度確認する行為を繰り返してしまいます。場合によっては、外出する事すらできなくなる方もいます。

③侵入的観念:強迫行為を伴わず、勝手に自分の頭の中からわいてくる考えに苦悶します。例えば、自分が誰かを攻撃してしまわないか?暴言や刃物で傷付けてしまわないか?と攻撃的な行為について繰り返し考えてしまいます。

④対称性への切望:左右の対称性や正確性に対する強い欲求です。行為の順番、物の配置、食べ物の順番などに強いこだわり見せ、長時間かかってしまい日常生活に支障を来してしまいます。

強迫性障害の治療について

治療としては薬物治療として、抗うつ薬(SSRI、三環系抗うつ薬)を使用します。お薬の効果が出る場合が多く、一般的に治療を開始して4~6週で効果が現れ始め、最大の効果が出てくるまで焼く3~4か月かかると考えられています。またうつ病で使うよりも多くの容量を使う場合もあり、諦めずに治療を続けていく事が大切です。

強迫行為に対しては、認知行動療法、暴露反応妨害法などの治療を行うこともあります。例えば、不潔と感じる対象に対してレベル設定を行い(不安階層表)、レベルの低い対象から順番に触っていき、あえて手洗いをせず、不安や苦痛が時間とともに減弱していくということを実感してもらうことで症状の軽減を図ります。

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